長崎ビヨンド

広島・長崎原爆の惨状を伝える写真展

『この少年が、死んでしまった弟をつれて焼き場にやってきたとき、私は初めて軍隊の影響がこんな幼い子供にまで及んでいることを知った。アメリカの少年は、とてもこんなことはできないだろう。直立不動の姿勢で、なんの感情も見せず、涙も流さなかった。そばに行って慰めてやりたいと思ったが、それもできなかった。もし私がそうすれば、彼の、苦痛と悲しみを必死でこらえている力を崩してしまうだろう。私はなすすべもなく、立ちつくした』

ジョー・オダネル

この写真展では、第二次世界大戦終結後に、原爆で荒廃した広島と長崎で撮影された、アメリカの従軍カメラマン、ジョー・オダネルの写真が展示されています。彼がその目で見た、想像を絶する悲劇に深く衝撃を受けたオダネル氏は、苦悩した結果、これらの写真をトランクに入れたまま長い間それを閉ざしたまま開けようとしませんでした。それから43年後、それらの写真は『トランクの中の日本』というタイトルで出版され、今回の写真展はそれをもとに開催されたものです。

オダネル氏が撮影した写真の中の1点である『焼き場に立つ少年』(死んだ弟を背負い、火葬の順番を待つ少年を撮影したもの)は、ヨーロッパでも広く知られるようになり、ローマ教皇フランシスコによって、平和の象徴として広められました。

※写真展は、京都佛立ミュージアムとの共催により開催されました。

EDIZION

■これまでの開催

  • 『トランクの中の日本〜戦争、平和、そして仏教』展:2018年 サンマリノ
  • 『トランクの中の日本〜戦争、平和、そして仏教・NAGASAKI BEYOND』展:2019年 サンマリノ
  • 『トランクの中の日本〜戦争、平和、そして仏教・NAGASAKI BEYOND―ABSOLUTE PEACE』展:2022年 イタリア・リミニ市

フォトギャラリー: